ないよりマシ/ホロウ・シカエルボク
 
ときしゃあないとすべてを捨てられるだろうか?
そらそうだ、それを考えるには身体が重すぎて
こころは自由になることなどないのだ
血肉に温度がある限りそれは制約のようなものさ
それを抱くことを良しとしたり悪しとしたりすることなんか
もう、ずいぶん前に終わったよ
もう少し近くに行けたらいいよ、お終いのもう少し近くまで
これまでやってきたことがもう少しよく見えるように
もう少しお終いの近くまで行けたらそれにこしたことはない
一目瞭然の人生なんて選んでこなかったから
誰にも愛される足取りなんて選んでこなかったから
これまでやってきたことがもう少しはっきり見えるとい
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