イリュージョン/済谷川蛍
 
哀しくなって泣いた。

 2人とも泣きつかれて、ぼーっとしていた。「おなか空いたね」とヨウスケが言った。「うん」とヒロキは応えた。2人は、きっと大人たちが助けにきてくれると思っていた。それはほとんど確信めいたものだったので、それほどの恐れはなく、ただ忍耐のみに専念した。ヒロキがピンと閃き、ヨウスケと、親指を立てて数字を言い合う遊びを始めた。
 「ねー!」と突然穴からヨシミの声が聞こえた。
 ヒロキとヨウスケは穴を覗いた。そして「おーい」と言った。
 「おーい」とヨシミが声を返した。元気そうだ。「あたし気絶してたー、こんなの初めてー」と言った。
 「そっちはどうなってるの?」と
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