イリュージョン/済谷川蛍
 
」とヒロキが聞いた。
 「暗くてわからなーい。でもヒロくんたちは見えるよー」
 「どのくらいの深さー?」
 「2、……3メートルくらい? もっとあるかもー」
 ヒロキは迷った。飛び降りるべきか、どうか。そこでまた閃いた。(レバーはもとに戻せない?)調べてみたが、ガッチリはまっているようだった。散々迷って、やはり飛び降りてみることにした。この八方塞がりの状態から解放されたかった。それに、ヨウスケの水泳袋の中にはペンライトがあるはずだ。それで暗闇を照らせば、何か突破口が見つかるかもしれない。「ヨシミ、ヨウちゃんの水泳袋の中にペンライトがあるでしょ」「あっ」と2人は言った。そしてヨシミは
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