イリュージョン/済谷川蛍
やっと、ヒデトは答えを出したようだった。
「たぶん、これで合ってると思う」
「言って」とヒロキは言った。
「5555」とヒデトは答えた。
「えっ」とヒロキたちは驚いた。
ヒデトはまた言う。「多分、これで合ってる」
3人はヒデトを信じた。そして、ダイヤルを「5555」に合わせた。ガコンッと音が鳴り、思わず3人はビクついた。でも何も起こらなかった。おそるおそる、ドアノブを回すと、ガチャッとドアが開いた。
「わーーーー!!」
3人は一斉に外の世界へ飛び出した。そして、ヒデトが目に入るや「天才!」と叫んで一斉に飛びついた。バタンッとドアが閉まった。3
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