イリュージョン/済谷川蛍
3人はドアの前に座り、しくしくと泣いた。
「ヒロくんたちいるの?」
ドアの向こうから声。3人は必死に助けを呼んだ。
「助けて!助けて!」
「どうしたの!?閉じ込められたの!?」
ヒデトの声。塾に行ったはずじゃ?
「今日、塾休みだったんだ。だからみんなのことが気になって来たの。ねぇ、どうしたの?」
「閉じ込められたの。そんでね、何か算数の問題が書いてあって、それを解かなきゃなんないの。助けてヒデ!!」
ヒデトは学年で一番頭が良かった。
「大人の人を呼んでくるよ」とヒデトは困惑して言った。
なぜだか、3人はそれはダメだと思った。今、ヒデが
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)