消えた世界のどこかで/番田 
 
転車を走らせて岸辺に行こう。人の喋っている声をそうしてたぶん聞いたんだろう。海のようなものがそこにはあったのかもしれない。枝葉や波たちだけというわけだよ、疲れていないのかもしれない。わからないけれどもロックすることってのは人々に対しても楽しいのかもしれない。誰に対してもそのアートというものは間違いではない。そんなふうにやはり、そうしているのかもしれなかった。眠らされていないのは木々や湖だけなのかもしれない。そうして君はまたラーメンでも食べさせられに出かけていく。何にも手につかむこともないまま、沈んでいく夕暮れを見ていたよ。完璧なのかも知れない、何にもない会話を続けていた。

わからないけれど、
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