消えた世界のどこかで/番田
ど、俺だけが最近寒いよ。寒くないのは西の方だけらしい。自転車を走らせて海へ行こう。おしゃべりを続けさせられたけれど、むしろ地獄だけは知るべきなのかも知れなかったのかもしれない。何にもなくなっていく。何にもないということだけがそうであるべきかもしれないと思うことが、何と言うか不明瞭なのかも知れないと、そうして俺はまた考えさせられた。突然、俺はどうされるべきなのかとそうしてやけに心配になったりもしている。俺は何にもわからない。というか誰に対しても淀まされたのだ。西の方だけなのかもしれない。寒くない。そんなふうなようなことの何にもないようなことだけについてはわからないものだけれど、最近、本当に寒い。人の喋っているうなり声を聞いた。
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