末期症状2/……とある蛙
 
何を言ったところで、
地平線まで埋まった
人々の群れは
いっこうに減る気配など無く
眼の前に蠢いている。

こんな気配を感じたとき
我々は目を見開こうとはせず、
もちろん、目を瞑っていたわけではないが、
ひらひらと中空から落ちてくる
きらきらとした
紛い物を一心に見つめていた。

もうそれが紛い物と分かっていても
我々は中毒患者のようにその方向を見つめ
多くのものは足を踏み外して
立って歩くことすら出来なくなった。

地上は
薄汚く着飾ったアイドルや
救済を叫ぶ偉人たち、
もっと楽が出来ると声高に叫ぶ詐欺師たちらで
充満し、

自分の都合の悪いことに
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