判っているんだけどどうしようもないってもんだよ/ホロウ・シカエルボク
であって
それすら履き違えている連中なんぞにわざわざ絡むことはないのだ
そんな風に思っていたらいつの間にか路地裏を歩いていることが多くなった
冬や春や夏がこのところずっと機を逃しては譲り合ってうろうろしているような気がする
もうすぐ昨年の平均気温なんてものはまるで当てにならなくなるだろう
近頃流行っているらしい漫画のキャラクタアが甲のところに描かれた小さな靴が
垣根の下のところでずっと雨垂れに濡れて黒くなってひしゃげていた
その家に子供がいたかどうかは思い出せなかった
そもそもその家に誰かが住んでいたのかどうかも思い出せなかった
家は人と滅びるべきなのだと最近考
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)