判っているんだけどどうしようもないってもんだよ/ホロウ・シカエルボク
 

半年余りで工場を辞めてからずっと普段の靴に使っている
どういった理屈かはよく判らないがあまり雨が染み込んでこないので
こういった天気のときには結構ありがたい思いをする
傘をさすことが子供のころからあまり好きではない
ずぶ濡れになることがないのなら濡れていることはそんなに悪いことじゃない
たまにすれ違う忙しい連中からは異常者のような目で見られるが
もともとの性格的な断絶には空の具合はそもそもあまり関係がないから
たとえば自転車が水溜りを跳ねる音程度に気にしただけでこちらとしては終わりになる
だいたいアイデンティティなんてもの個人の中だけで完結することが望ましいのであ
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