風車のための散文詩 /****'04/小野 一縷
可動を愛でながら
瞬きの合間に目蓋を可視する視線で貫き瞬時解析された音声映像
まずその子音から母音へと移行する合間に立て掛けられた
一つの音階変調に伴って漂い現われる色彩変調に揺られ
流れてくる臭覚判断記憶細胞内において最も懐かしい異臭の
柔らかい刺激から胸の内に響く清々しい香りへの浮遊変動率を
時間単位に変換し左脳内に点滅する信号の
紅く熱く最微分された輝きを全神経細胞へ転写浸透させる
※
隙の無い絶対完全完璧な陶酔の純潔な快楽これこそ覚醒と呼ぶに相応しい
遠く見える高純度液体金属の海面の波長に平衡感覚を溶かし込む
触覚はもとより視覚聴覚味覚臭覚を指先に集結させペン
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