夏が来ますよ/ホロウ・シカエルボク
んなに嫌いだった首飾りの臭いも
なんだかないともの足りないと思うようになった
夏が終わるころに
彼女は秋子という名になった
そういうシステムなんだと僕が呆れると
そういうシステムってわりと大事なんだと彼女は力説した
時期に溶け込むのは
僕が思っているよりもずっと大事なことらしい
ふん、知るもんか
すねてみせたら大声を出して笑った
ずいぶんそれが気に入ったらしく
首を切るときにしょっちゅうそう言っては大声で笑った
そんなに大声を出して誰かに見つかったらどうするんだと
僕は内心気が気じゃなかったけれど
三度目の夏子の時に彼女の首飾りが出来上がった
彼女はそれを首か
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