群青のサンドウィッチ/吉岡ペペロ
た
するとヨシミが群青いろにはさまれていた
ヨシミは夕方を見つめるのが好きだ
まだ夜のいろではない群青の空のいろが好きだった
カワバタにそれを言ったことなどあっただろうか
カワバタとはそんなことが多かった
まだ交わしたことのない話題でも以前に話したことがあったような感じで肌ざわりで会話ができた
だからヨシミはいつもいまじぶんにとって切実なことをカワバタには落ち着いて話せるのだった
ケイタイが受信を知らせてくる
きっとさびしい味がするだろうな、
やさしい味がしたよ、
おまえが宇宙にいてくれて助かったよ、おまえ宇宙にいるんだろ、
いるよ、ヨシミはそう返事してさっ
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