ウイリーの風/剣屋
ろまで運んでこい」
ゼロは脱力しきった醜い男を抱きかかえ、ニンジャの後部座席まで運んだ。
醜い男は初めて単車に跨ったというふうに不安な顔になっている。
ナナメが醜い男の顔を見ずに、濃くて深い夜の闇を見つめたまま言う。
「おっさんさ。ストレスの本当の正体ってわかるか? 俺が答えられたらいいんだけどよ、そんなもんいくら考えてもわからねえんだよな。実際まったくわかんねえ。俺は究極にばかだからな。だからさ、俺は単車に乗ってる。単車で自分を解決してるんだよな。気持ちいいぜ。単車って」
醜い男はなにも答えない。
「わかるぜ。いきなりこんなこと言われてもなにもわからねえし、伝わらねえよな。そ
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