((心E/D房))/高梁サトル
の困ったちゃんの脳をさ、コントロールする何かが必要なわけなんだけど、最適なものを一度失うと、また見付けるのって、なかなか難しくって。
純粋な加害者ってのは、他人でも社会でも何でもない、自分自身なんだろうね。」
とり止めもない話をしながら寝返りを打つと
不規則にも熱心に相槌を打つ何かがそこにある
その健気さをどう形容しようかと考えるとき
何かひとつの感情が綻びそうになるのだけど
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「きみよく、リップクリーム塗るでしょ」
「荒れてもない唇にさ、何度も、何度も」
「それって女の子がグロス塗る、あれと似た心理なの」
「強いては視覚や嗅覚に訴える動植物の、かの目的と同じわけ
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