ほとんど麻痺をすることで僕は人を愛することが出来る/真島正人
 
見える

それは
まるでめくれ上がった人間の肉体の一部

皮膚を割って生えてきた
何かに見える



半分以上寝ぼけていたのは

君か僕か

僕たちはしばし
議論をする

それが終わる頃に僕たちの口は

互いに禁止されている

僕たちの認識が皮膚を通り越し
相変わらずのそれが流動する

僕たちは生まれて最初に
飲み込まれ

流れるうちに
飲み込まれていることを忘れてしまっていた

あぁ
しばしの覚醒、

ふいに
頭が冴え渡ってくる

そしてやがてまた
頭が鈍り
深い眠りにつく

目覚めると

僕と君は他人になるこ
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