ほとんど麻痺をすることで僕は人を愛することが出来る/真島正人
 

僕は君を愛する

君の体が僕に近づく

僕の体が君に近づく

そのとき、

異物である
恐れは

どこかに過ぎ去っている

そしてそれがやがて
舞い戻ってくる

清い水の流れのように
笑みを伴って
戻ってくる

君は僕から体を離す

僕も君に吐き気を覚える

僕たちはお互いに
苦痛ではなく、
汚さを感じ

経年の皮膚の汚れ
疲れ、
おかしな感情から、

遠く隔てられていたことを、
不意に思い出す

空が割れている

誰かから見ると
それは相変わらずの茜空で

僕と君にはその
真ん中が割れて
違う色の
皮肉が見え
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