酔歌 - 3 / ****'04/小野 一縷
い詩句 萎えた文字の行進 まるで徒刑を思わせる
不安が二三本 横目に細く 素早く走る
恐れが 酔いを 吐気と撹拌する
安定剤を飲む頃合だ 胃薬も忘れずに
人魚は 嬉しいのか 悲しいのか
ぼくの心の熱いところで 太陽に
融かされるように 泣いている
苦痛なのか快感なのか 酩酊なのか覚醒なのか
分らない
ただ 彼女は美しい存在だ 単純に それだけは
何度だって確認したこと
君よりも厳しく 君よりも優しい
誤魔化すことは無理 みんな見透かされる
彼女には この身体のこと
知られ過ぎている それは ぼく 現代のシャーマンまで
長かった 実に長かった 歴史
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