酔歌 - 3 / ****'04/小野 一縷
歴史の回帰 遥かな智慧の再認識
それで どうせなら
酔いに頼ってばかりいる この表現欲に
苦悩と快楽が 徐々に湧き出す この仕組に
心の湖面に 幾重にも波紋が 波が生まれる
繰り返される 波の頂点 示される波形 その曲線美に
飲み込まれ孕み 解放する 湖面を走る震えた漣に
またこうして 手を刺して 触れて
濡れた手の平に 指と指の間に流れる 言葉の粒子
見惚れてみる じんじんと静かに脳に無造作にしかし
複雑を解いて 送られる 呟きは空白の鎖で 言葉の粒子
モダンに散る それを見続け 追う 雄弁なペン先
その軌道 踏み外すな ここで これらに
現実において 今にこそ 酔い続けろ ただ無垢に
許される 酔うことが
ここに この詩に あなた自身が ただ無垢に
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