あどけのない空洞/真島正人
 
のの

空気から、遠い、

物質

ヴィタミンは

空気に触れ
壊れるらしいが

それは

空気には
破壊されない

在ること

だけを

否定し続け

在ることから

隔てられたが

それは壁を伝い

簡単にここへ来る

ここへ来ることのたやすさに応じ

私たちは消えてゆく

消えてゆく

消えてゆく

みんな



目を閉じて

うつぶせに

背骨から

熱い炎が

沸き立つのを感じる

それに焼かれ

皮膚は

引き攣って嘆き

そして

更新される

新しい資質を
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