あどけのない空洞/真島正人
を
獲得することの喜びが
樹になって
生える
生える
生える
そして、
行き着く先は、
森!
森のような、
暗闇!
そこに立てられた
陰湿で偉大なる
標識!
からんころんと
絶え間なく
立てられる足音がする
その、
足音をまずつぶせ!
皮膚の組成から
破壊しろ
破壊しつくせ
6
どこからか漂う
生き物の匂い
それが僕を圧縮する
陰険な楽譜よ
懺悔をしろ
君はあどけない笑顔のために
歌うべきだ
悲しみは
弾く人を選ばない
誰が弾いたとて
変わらないソナタ
そんなものは
もう止せ。
対岸は
火の海になった
こちら岸が
燃える日も近い
僕は日記をつけておこう
最後通告に見えない
あどけない日記。
人が見たら
きっと無邪気さに
失笑する。
誰だって
失笑を買えるわけではないから
それは僕の
才能だとしよう。
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