あどけのない空洞/真島正人
捨てようとした
抱え込み
負担を増やすことで
体がだんだんと
破綻をきたし
ついえてしまうことを
恐れすぎた
あなたが
繰り返し吹いていた
無意識の
口笛が
僕のこの楽譜の
一部を成した
幾度でも言うが
まるで骸骨のような
角ばった
陰湿なソナタ
病院に似た
暗い赤茶けた廊下で
看護婦が踏みつぶすような
意地汚いソナタ
地獄の炎に焼かれるとも
灰になることのない、
最後まで残るものは
美しい部分ではなく、このような
硬い、概念から遠く隔てられた、それそのものの
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