悪名 / ****'04/小野 一縷
かっていう思い出に似た青生臭い甘苦さがする
何かしらの病状だと想っていた この動悸や咳は
どうやら ただの余興でしかなかったらしい
コクトオが愛した天使と接吻を交わすには
まだまだ この道を深く行かなければならない
今 歩みを止めたなら
ぼくの過去は 自慰そのものとして 終わる
童貞のまま くたばる訳にはいかない
病むことなく 意図的に 患う
マスクも着けずに罌粟畑の花々を燃やす米兵
コロンビアの少女が手塩を掛けて咲かせた色とりどりの花々
彼女たちの冷たい褐色の肌 黒ずんだ輝きの瞳に
罪のない有害な昇煙が映る
澄んだ虹色の揺らぎが太陽に吸い込まれる
すると 太陽
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