悪名 / ****'04/小野 一縷
 
太陽は酔っ払って 空を水面のように涙で滲ませる


兄さんは 葬列の中で ただ一人仮面を着けて
赤い涙を隠している いつも言っていた
「人様に嫌な思いをさせるな」と


さて 結局
こうして所詮裕福で 卑しい身分の者が
死後 詩人となる
ぼくの矮小で陰鬱な半生を知っている あなた方にしてみたら
ただの 恥知らずな 独白ではあるけれど

・・・蝶より、蛾が好きなんだ・・・



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