冷たい血が俺を生かしている/ホロウ・シカエルボク
うに注意しさえすれば
あとは何も考えずに手だけ動かしていればいい
昨夜のコールガールの
意外と具合のいいアレのことを考えながら仕事を続けていたが
時々隣に立つ年寄りには心底うんざりさせられる
そいつはどうにも否定しがたいほど俺そっくりな顔をしていて
しかも見るからにいい暮らしなんかしていない
痩せこけていて
目には力がない
ふっと俺が自分のことを考える時
そいつは必ず俺の隣に立つ
そして俺のように鉄板をプレス機に突っ込んでいる
畜生、と俺はプレス機のリズムに合わせて声を上げる
腹を立てないとそいつは絶対に消えてくれないのだ
今
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