記念碑/悠詩
便利な名前があるのでしょう
しかしわたしには断定ができない
救急車かつオムライスというモノは
刻一刻と形を変えている
それを必死になって掴み取って
壁に画鋲でとどめておくけれども
そうなればそれは
救急車かつオムライスかつ画鋲でとめられるもの
と即座にすり替わってしまう
ならばわたしも生まれ出たときと
違うモノに変わっている
生まれたときには
腕が四本足が六本
へその下に目と口のある姿だったのに
今ではこんな姿に成り下がっている
あなたの世界の片隅にわたしはいますか
きっと目に触れるにはあまりに醜くて
そこだけが真っ黒に塗りつぶされている
あるいは唾を吐き
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