記念碑/悠詩
眼球をゆがめていくのです
ゆがんだレンズを通して見た世界は
ゆがんだ眼球を受け入れるほど寛容ではない
あなたの隣の優先座席は
眼球のゆがんだかわいそうな生き物優先の座席だった
ゆがんだ眼球で世界を見ることは
世界に対して失礼極まりない
その害悪を押しとどめておくための
檻だったのです
眼球に刻んだ傷は
正しい世界に届く一歩手前で
晒しものとなっているのです
かろうじて文字となっているのもおこがましい
晒しものになっているのです
己だけの世界にただ文字を刻んでいるだけならば
そこには墓石と同じ価値しかない
いや自意識があるだけ墓石よりたちが悪い
墓石は何も語
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