記念碑/悠詩
をするのは
ジェスターとトカゲくらいのものだろう
タイトロープダンスをするジェスターのそばを
揺り籠がゆっくりと運ばれていく
籠の中にくるまっている傷の新生児は
今にも傷つこうとしているジェスターを笑う
ところが傷が揺り籠で運ばれるさまは
ジェスターに笑われているのである
ジェスターはタイトロープがへその緒であることを
知っていたのである
新生児と引き換えにへその緒は失われた
損得勘定はできているのだろうか
今まさに誕生しようとしているものと引き換えに
今まで育み続けたものを他人に切断させるという行為
見て見ぬふりをせざるをえない行為は
性善説として積み重なり
眼球
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