記念碑/悠詩
できないでいるのです
またあなたの世界を傷つけてしまいました
傷ひとつないわたしの世界で
みなに刻まれた傷ばかり目に映り
通りすがりを捕まえては叫ぶのです
あの方に刻まれた傷が見えますか
あれはわたしがつけたのです
通りすがりはそんなものは見えないという
彼女はこちらにを向いて微笑んでくれているという
それを聞いてわかったんです
傷ついているのはあなたではなく
わたしの眼球なのだということを
後悔はいつも東側からやってくる
どれだけ西の果てに追いやろうとも
ある限りの後悔が
示し合わせたようにやってくる
この体の細胞は新陳代謝により
一カ月ほどで別物にな
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