太陽の種 / ****'02/小野 一縷
− エーリスに捧ぐ −
太陽が 沈む ぼくに
巨大な 火焔 膨大な 熱量
太陽が 沈む ぼくに
太陽の 中の ぼくの 中で 太陽が 燃えている
若さ そのオクタン価の高い年月を 燃料に
全身を 骨肉 血管 神経を 列火が巡る
血走る眼
その中心 瞳孔は 陽炎のように潤んで
その黒点に 太陽の影 きみ 月が映る
夜明けの刻
一筋の光線が 今
一本の道筋が 今
一粒の恒星 ぼくに 開示される
何処までも 全て 見渡せる
だが 眩しさに 滲み出る 涙で
ますます 潤む きみの 寝顔が
この 覚醒 完璧へと向かう燃焼を 唯一
化
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