太陽の種 / ****'02/小野 一縷
 

化学的に 阻害する

ただ
光を 熱を 信じる 
この身体の 燃焼が
光熱が きみに伝導すると 信じる
そして いつか 涙を 蒸発させる
その時 この眼は きみだけを映す 鏡になる

「まだ 足りない 熱が 光が 足りない」 

悲劇的な 神曲の調 きみの在り方 
日常的な 三文芝居 ぼくの在り方
そう きみは ぼくの羨望 そのもの


約束する 
この太陽が 燃え尽きるより早く
ぼくの 知らぬ 凍てつく領域
永久凍土に 優しく 抱かれる 
きみの 朽ちることのない 肉体に
小さな火を 灯すことを 




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