生きて在り続けること ミシェル・ウエルベック 拙訳/banjo
 
ほどけ、太陽の下へ滑りゆくだろう。しかしそれでも、あなたの身体は地上に残る。むくみ、ゆるみ、苛立ちながら、新たな苦しみに向かっている。
人生とは一連の破壊試問だ。最初は受かる。最後は落ちる。あなたは乗り遅れてしまった。『ほんの少し』だけ。そして苦しむ。永遠に苦しむ。あなたのすべての毛穴を使い、苦しみを感じる術を学ばなくてはいけない。世界のそれぞれの断片が、個別にあなたを傷つけていく。しかしそれでも、あなたは生きて在り続けなくてはならない、少なくとも、ある時からある時まで。


内気なことは軽蔑に値しない。それは豊かな内面の唯一の証拠と考えられてきたし、それは間違いじゃない。内気さは興味深
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