諷狂 / ****'01/小野 一縷
度を増す 回転する黒い蹄
路上と街の果てに 微かに灯る 銀
重々しい眼光を 青黒く研ぎ上げる 胸の内に渦巻く 気流の音は高く
走って 乱雑な 震動に
恍惚と震えて もっと速く
脊髄の振動に 馴染めない胸の鼓動を左手で支えて
右手を捻る
流星群の燻り ネオンの大河を掻き分け
一層速い 光線となって 郊外まで
星々と街の灯の境界線は 波打つ
その波間から覗く 夜の奥へと
流す また 流れる 光の帯
振り払えない
流れるものと 流れる場所の 隙間に流れる粒子
何千回と空気の環を潜る度 骨と肉は時間に逆らい
景色との摩擦熱
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