残像レトルトパウチ/15フィールズ
 






走る





微熱の感覚でキスをする
「愛してる」と訓練する
温もりは宇宙に押し流される
さっき、が随分と遠い
コンマ0.01秒の不信感
手が離せない
きっと君は痛いだろう
恐れと優しさはいつも隣同士だ





止まる





囲まれて孤独になりたい
ケースいっぱいに詰まった愛情を身代金に
僕自身をかどわかしたい
意味なんてないし
あるといえばある
意味の話なんてしていない





歩く





僕はどこかへ向かっている
この全部同じような
出来損ないのコントみたいな世界で
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