創書日和「証」  ミルクティーの似合う女(ひと)/逢坂桜
 
れず、ほんの数ヶ月で終わった。

「どんな人?」
「うーん、おじさん、かな」

お互い、だいぶいい年齢になったので、
つりあう年齢を考えれば、もちろんおじさんだろう。

「こんな人」

ケータイをぱかっと開けて、こちらに差し出す。
少しぼけたバストショット。

「・・・いい人そうだね」

彼女の好みとはずいぶん違う、
温厚さがにじみ出た、いかにもな風貌だ。

コーヒー党だった彼女が、いまもミルクティーを飲んでいるのが、
ひっかかった。

「言いたいことは、わかってる」

どきっとした。
ミルクティーを飲み干した彼女と、眼が合った。

「でもね。
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