開封する/はるやま
 
といってもこれは僕の勘なのだが)
手持ちぶさたになり、僕は箱を開けてみることにした。中身を開けてしまえば、この箱は死ぬかもしれないと思ったが、箱は特に騒ぐことも無い様なので良いかと思った。

箱は少し、“ギチギチ”と言ったが、割とすぐに開いた。
僕はそうっと箱の中を見た。

そこには縮こまり焦げた小指の骨が一つと、煤が入っている。
「ああ・・」
「何だ」
僕は煤を払う。少なからずそれは“小化”だった。きっと去年から暖炉の奥に引っかかっていた箱が、春の気温で溶け出し落ちてきたのだ。
つまりそれは誰かが来たのではなく、初めから有った物なのだ。それは言い換えればゴミであったし、父であ
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