開封する/
はるやま
であった。
牛乳が飲めないのも納得だった。
「父さん、だけどそんな格好じゃ何もできやしないね。ボードゲームも、チェスも、トランプだって・・」
僕はそう言いながら、箱を膝に乗せた。(僕はそのどの遊びも、好きではなかった)
その数分後には箱はついに息絶えて、冷たいものになった。
父が飲み残したものを、僕は一人でどうにかしようとしている。
季節は春を迎えていた。いや、ただ“そうであるはずだ”という勘が、僕の頭をゆっくりと巡っていた。
戻る
編
削
Point
(3)