開封する/はるやま
 
であった。
牛乳が飲めないのも納得だった。

「父さん、だけどそんな格好じゃ何もできやしないね。ボードゲームも、チェスも、トランプだって・・」
僕はそう言いながら、箱を膝に乗せた。(僕はそのどの遊びも、好きではなかった)

その数分後には箱はついに息絶えて、冷たいものになった。
父が飲み残したものを、僕は一人でどうにかしようとしている。

季節は春を迎えていた。いや、ただ“そうであるはずだ”という勘が、僕の頭をゆっくりと巡っていた。


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