雨の日、わたしは窓のそばで/ホロウ・シカエルボク
 
ろんわたしは足を痛めてなどいなかった
二人の婦人は近くの教会のひとで
なんの役にも立たない紙切れを定期的に配り歩いているのだ
わたしはこのひとたちのことをあまり好いてはいなかったので
窓のそばで雨に濡れるような格好にさせておけば長居をしないだろうと考えて嘘をついたのだ
彼女たちはいつもするような話をひと通り話したあと
そそくさと別れの挨拶をしてそこを立ち去った、それでわたしはまだ雨が降っているのだなと思った
それでもいちおう窓の外に手を伸ばして、細かな雨粒を確かめた
そして窓を閉めて椅子を元に戻し、腰を下ろして窓の外を見た


最後にひとが訪ねてきたのはもう
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