雨の日、わたしは窓のそばで/ホロウ・シカエルボク
を少し開く
「雨はもうやんでいるでしょうか?」
と、わたしは尋ねる
「そうですね、降っていますね」
と、彼は答える
「朝と同じような具合ですか」
「ええ、そのようですね」
今日の間にやむことがあるでしょうかとわたしは尋ねる、小うるさい感じに聞こえぬようにと
声の早さと高さに注意をしながら
郵便配達のひとは少しにっこりとし、それからすぐなにごとか考えるような表情になり
「こういった雨はあまりその日のうちにやむことがありません、でもそういうことがまったくないとも言い切れませんーわたしが働き始めてからも、こんな雨が午後早くに突然上がったことが何度かありました」
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