保護/真島正人
 
僕の成長過程を
保護した

置き去りにされた恐怖

貼り付けられ

見世物になったそれが

色あせるのは
早い



色あせてしまったものが
蘇る

蘇ったそれは

まるで
言葉だった

言葉で伝えようとすると
いつも伝わらない物事が

一度解体され
そしてもう一度

言葉になったとたん

なんてことだろう

饒舌に

そして
素晴らしい浸透率を
伴い

歌いだすのだ



言葉から
体へ

寒色から
暖色へと

美術科の
課題のように

色を塗り

心を
硬く
保護してゆく


[次のページ]
戻る   Point(2)