保護/真島正人
 

胸から下は
硬直化し

胸から上は
軟体動物のように
柔らかく
さびしい

僕は愛に飢え

飢えて、飢えて
たまらず

幾度もキスを迫った

そのたびごとに

何も無かった日々が

更新され
鉄の杖で
潰されていく



煉られ
ひとつになった
生き物たち

いくつもの
どろどろに溶け
混じりあった形が

『私』

叱咤する
日は
近い

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