保護/真島正人
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1
まるで
宴のような
色あせた果実
慕情だけが
途切れがちに
遠くから叫ぶ
2
なまじ
与えられた喜びと苦痛に
絡められて
何も出来ない
さっきグラスに入れた氷は
溶けてしまって
もう音を立ず
堆積物のような
かつての愛は
吹き溜まり、
それだけで
ひとつの形を織り成している
3
夜が更けない日々
集約の
お手本のような
さげすまれた闇が
変形して
建物を作る
世の理を
否定した
長い廊下
僕はそこに囚われて
どこへも行けない
4
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