保護/真島正人
 
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まるで

宴のような
色あせた果実

慕情だけが

途切れがちに
遠くから叫ぶ



なまじ
与えられた喜びと苦痛に

絡められて
何も出来ない

さっきグラスに入れた氷は
溶けてしまって

もう音を立ず

堆積物のような
かつての愛は

吹き溜まり、

それだけで
ひとつの形を織り成している



夜が更けない日々

集約の
お手本のような

さげすまれた闇が

変形して
建物を作る

世の理を
否定した
長い廊下

僕はそこに囚われて

どこへも行けない




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