詩人達の新たな旅路に向けて 〜「黄色の日」の印象的な詩のひと時〜 /服部 剛
男の不思議な声が(僕は僕のことが好きになった)と歌う1行が、胸に残ります。
「天国にはパレードがない」・・・夏目ゆきさん
数年前に世を去った寺西さんの、「泣きじゃくり部屋」という詩の続編のような雰囲気の詩で、誰もが時に、人目をはばからず、泣きじゃくれる部屋を求めているかもしれません。この部屋は、時々男が爆薬をしかけたかと思うと、ある日の夕方は、ぞろぞろと人が入ってゆくという不思議な部屋が描かれています。
(両手いっぱいの洗濯物を手に
私は泣きじゃくり部屋に背を向ける
それから窓をそっと閉めた
子供の頃に殺してしまった小鳥は小箱
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)