詩人達の新たな旅路に向けて 〜「黄色の日」の印象的な詩のひと時〜 /服部 剛
 
男の不思議な声が(僕は僕のことが好きになった)と歌う1行が、胸に残ります。 


「天国にはパレードがない」・・・夏目ゆきさん 

 数年前に世を去った寺西さんの、「泣きじゃくり部屋」という詩の続編のような雰囲気の詩で、誰もが時に、人目をはばからず、泣きじゃくれる部屋を求めているかもしれません。この部屋は、時々男が爆薬をしかけたかと思うと、ある日の夕方は、ぞろぞろと人が入ってゆくという不思議な部屋が描かれています。 

(両手いっぱいの洗濯物を手に 
 私は泣きじゃくり部屋に背を向ける 
 それから窓をそっと閉めた     

 子供の頃に殺してしまった小鳥は小箱
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