酔歌 - 2 / ****'04/小野 一縷
今
胸に黄金のバッヂを光らせる 賎民の子だ
(・・・父さんは河で自殺)
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ああ
軽快に導く為に 辛い顔をしなくても済むように
ぼくを こんな矮小な存在にしたのだね
ほら
切傷と火傷と薬疹にまみれた両腕
ああ か細い精神の現れだ これは
さあ
掴んでおくれ 病んだ腕を そして もう一段
この萎え脚で ぼくに階段を昇らせておくれ
ほら また
快楽の階段の段数を 惨めな正気が
血眼になって 慌てながら 数えてやがる 可笑しいったらない
実際のところ 何やら奥深い構成を持つらしい このコントは
いつだって新鮮な感覚で 楽しめる
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