我らが日々を荒涼とするのか、老兵よ!/真島正人
もあった
血液の中にも
声が潜んでいた
16歳の少女の胸に
耳を当てた
18の夜に
私は知り尽くしていた
細胞のこと
破裂のこと
愛のこと
器官のこと
それらすべてが
亀裂によって交わり
性の行為は
「崇高」に支配された
※
裁断されたのは
夜の街燈
私が目指したものは
干からびた海だった
照らされた光が
良いものであるのか
知る術もないが
やがて微笑んできた
分析と統計が書きこまれた
薄い書物が
※
喫茶店の一室だった
そこが私の部屋だった
逃げ込むことしか出来ないうちに
私は
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