大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
い物が紛れていることに、僕は気づく。
 その物体を見ていると、内側に備わっている本能のようなものが呼び起こされ、衝動的にその鍵らしい物を右手に取り、強く握って、顎と胸の中間まで持ってきた。
 僕は緊張して、自分の心拍音を容易に確認できる状態になり、胸に?震える空白?をイメージする。それに興奮も伴い、今いる部屋を好き勝手にアレンジできる準備ができたような気がした。もし、この部屋にフタの閉まった箱が散らばっていれば、中身を?かたっぱしから探ってやろう?という好奇心が溢れている。
 すると、なぜかヒレンクターは、危機を感じたかのように?僕の手の中の物?を奪おうとして、すぐさま僕の手に噛みつく勢いで
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