大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
いで首を伸ばしてきた。僕はかわす。
 直後、僕は衝動的に?僕の手の中の物?を壁に開いた穴へ挿しこんだ。それによって、詰まっていた白いカスが外に押し出たのか、穴の途中で止まった鍵のような物の向こうの?想像ができない場所?の地面になにかが落ちる音がした。さらに、穴へ挿しこんだ鍵のような物は、誰かが即座に壁の向こうから引っこ抜いたかのようにして、穴から消えている。
 僕は穴の向こうを覗いているが、なにも見えない。暗闇? 光? なにもない。
 そこで、ヒレンクターは発作の苦しさが残った様子のまま、窓のほうを見ながら口を開け、シャーッとやった。窓がガタガタ音をたて、カチッという音が聞こえると、誰かが外
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