大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
ったそれぞれ異なる質のものに支えられ、三つの影を揃えながら直立不動し、こう言わなければならない。
?私は一人で立っているのです?と。


   ○争いはふたたび

 今、外の景色が見えない曇った窓がひとつだけある部屋に、僕とヒレンクターがいる。
 よく見ると、窓に面したすぐ横の壁に小さな穴が開いていることに気づいた。僕はこれまでになんどか、その穴から外を覗き、見つけたものを表現として発揮したことがあったんだ――と、穴を見つけた途端に思いだす……。でも、今いちど穴を覗くと、途中からは白いカスが詰まり、向こうが見えなくなっていた。
 この部屋に意識が飛んでからはずっと、ヒレンクターは曇
[次のページ]
戻る   Point(2)