ふりだしに戻るばかりの小さなさいころゲーム/ホロウ・シカエルボク
 
、船乗りみたいな口をききやがって、ええ、ばかやろうが
入江の中で遊んでたくらいのことしかしてこなかったくせに
そんなだからお前たちは終わってしまったんだよ
本当に海路図と睨めっこしてきた連中は
絶望する前に次の船のことを考えるんだ
海へ出る手段はひとつしかないわけじゃないんだから
大通りには強い風が吹いていた、脳髄の中で死んだ水夫たちの幻影が
一瞬にしてかき消えてしまうくらいの強烈な風が
暖かくなろうってときにどうしてこうもこいつらは騒ぎたてるのか
憎む前に殺してしまおうみたいなそんな凶暴性
目の玉に飛び込んだ砂が今日一日の在り方にケチをつける
結局のと
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