ヒ、リ/新宮栞
て、どうにかしなくちゃならなくって、どうにかしているあいだはだいじょうぶではあるけど、ちょっとしかきっかけでどうにもならなくなって、っていう現実があって、そういう現実があるんだっていうのは、そういう現実をもってる人じゃないとわからなんじゃないかって思ってるんだよ私は、そういうのはわかる?」
って言い残してアイツは今日は接続切ったけど、明日はあたしたちはまたお互い此処に来て、どうでもいいような会話をして、どうでもいいような雑誌を眺めて戦争が始まるのを待ってるだけだ。
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剥き出しの想像力の前で声を出しても、誰かの声にしか聞こえない。
わたしにとってわたしが意味を
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